株式会社デジタルレシピは「AIと共に生きる社会をつくる」をビジョンに掲げる2018年2月に設立したIT企業で、自社プロダクトの開発や生成AI開発支援、デジタルマーケティング事業などを展開されています。同社はMarooのマーケティング・インサイドセールス支援サービスを導入し、営業活動の効率化や組織化を推進されています。サービス導入後の成果について、生成AI開発事業の事業責任者 藤本拓海様にお話を伺いました。
【株式会社デジタルレシピ様】
- 設立年月日:2018年2月
- 事業内容:「Catchy」「Slideflow」の開発・運営、生成AI開発支援、デジタルマーケティング事業、DXコンサルティング
- 会社HP:https://www.dxr.co.jp/about/company
――まずは自己紹介と御社の事業概要について教えてください。
デジタルレシピの藤本拓海と申します。弊社の事業は大きく3つ存在しており、自社プロダクト開発事業、生成AI開発事業、デジタルマーケティング事業にわかれます。
そのなかで私は生成AI開発事業の責任者を務めています。経歴としては新卒でWeb制作やシステム開発を行う会社に入り、その後デジタルレシピの社員第1号として転職、入社してから丸三年が経ちました。
最初の1年間は、マーケティング業務のディレクターやプロジェクトマネジメント、自社プロダクトのセールスなどを担当しました。2年目の終わり頃から、現在の生成AIのコンサルティング事業の責任者を務めています。
生成AIコンサルティング事業でヒット作が誕生
――生成AIのコンサルティング事業がスタートしたきっかけについて教えてください。
弊社はChatGPTが日本で流行る以前の2022年から生成AIを用いたプロダクト開発を行っていました。その過程でAIライティングアシスタントツール「Catchy」というヒット作品が生まれ、約1年半で登録者数が10万人を突破するサービスになりました。
法人のお客様専用の「Catchy」を作ってほしいというカスタマイズのご要望を多くいただくようになり、これを事業化しようということでコンサルティング事業が始まりました。デジタルレシピの強みは圧倒的な経験の深さにあります。ChatGPTが流行る以前から生成AIの研究を始めていたことがノウハウの深さに繋がっております。
インサイドセールスが新規事業の成長を牽引するチームに
――当時の市場参入戦略について教えてください。
当時は自社への問い合わせが非常に多く、それを起点に実績を作り、広告や拡販を通じてリード獲得につなげていました。よくあるアウトバウンドの手法は、リソースの問題もあり、優先度は下げておりました。具体的な戦略としては、PR Timesでプレスリリースを1本配信すると3〜5件の問い合わせ獲得につながります。そこから見込み度の高いリードを獲得していました。
インバウンドで一定数のリードを取れていた状況でしたが、チャレンジングな目標の達成に向けて商談や売上の創出を加速させたいという考えがありました。The Model(ザ・モデル)型の組織構築やインサイドセールス組織の立ち上げを通じて、より効率的かつ組織化された体制を確立したい気持ちからMarooさんに支援をお願いしました。
具体的な課題としては、商談獲得はできるものの、問い合わせに対して「打ち合わせしましょう」と提案するだけの機械的な対応しかできていませんでした。また我々のチームは外資系のIT企業で現役で活躍しているインサイドセールスなど、外部の優秀な人材を積極的に雇用してましたが、プロモーションや体制変更など、本業の状況によって稼働できるリソースに影響がでてしまい活動量が安定しない状況がありました。
特に新規事業の立ち上げフェーズでは、インサイドセールスが事業成長を牽引すると言っても過言ではないため、安定した商談供給と再現性ある仕組みを作ることが最重要と考えていました。
顧客解像度の高さが再現性高い仕組み構築の鍵になる
――導入後、具体的にどのような手応えを感じていただけましたか?
まず実際の商談創出やそのための基盤作りといった実務面で大いに貢献いただきました。具体的には、案件管理のオペレーション構築や優先度決め、スクリプト・メール文書の作成、オペレーション設計などにも入っていただきました。週次の定例会を開催するなかで「こうしたほうがいいですよ」と単にアドバイスするだけでなく、実際の商談対応まで行い、顧客や業務の解像度を高く持った上で内部のオペレーションを整えるまで伴走してくださった点は発注側として非常に助かりました。
Marooは外資系IT企業など出身者を中心にセールスのプロフェッショナルが多い会社なので、事前準備や資料の作り方、実際の商談時の対応、社内調整のコミュニケーションを含めた営業品質が非常に高いため安心して任せることができました。
またインサイドセールスの実務コンサルティングだけでなく、SalesforceのようなITツールを基盤としたオペレーションの自動化や効率化を通じて、スキルセットや経験値がバラバラなメンバーで構成された組織であっても、再現性高くが成果を出せる仕組み作りにも貢献していただきました。
新規事業が立ち上げ初年度から黒字化に成功
藤本様:スポット型のコンサルティング発注では、時間内で何かを伝えてオペレーションを変えることはできても、形として残るわけではありません。Marooさんの場合、Salesforceのオペレーションルールやデータ項目の実装、ダッシュボードによる営業進捗の健全性を可視化するなど、中長期の資産として残してくれることにも価値を感じております。
マネージャーとして一番良かった点は、Salesforceのチームへの浸透率が自社の他の事業部よりも高く、全員がダッシュボードを起点にデータを登録してくれることで、パフォーマンスを可視化できたことが非常に大きいです。
昨年の事業立ち上げ初年度でいきなり黒字化に成功したのは、営業としてのトップラインの売上数値はもちろんですが、マーケティングのリード供給からインサイドセールスのフォロー状況、営業の案件進捗管理など、レベニュープロセス上のデータを一貫してSalesforceで統合できたことが大きかったと振り返っています。
また、役員やマネージャー以外でも売上を創ることができる営業チームが社内に初めて構築できたことも大きな成果です。これまでは経営層の人脈やプロダクトの力で売り上げを伸ばしてきましたが、今回はセールスやマーケティングの力で売り上げを伸ばすことができたので、今後の組織成長を見据えた拡張性を実感することができました。
生成AI専任チームを設置した定性面のスキル・思考プロセス野再現
――デジタルレシピ社は、社内で専任チームを構築して営業組織におけるAI活用を推進されてますよね。そのときの取り組みについても教えてください。
藤本様:議事録や商談議事録をすべてGPTで作成するなど、商談以外の作業をすべてAIで対応できるようにしています。コードの自動化はツールを使えば可能ですが、頭の中のアイデアをまとめて専門性の高い文章を作成することはテクノロジーでは難しいです。
特に、ハイパフォーマーの行動習慣を棚卸しして、再現性あるオペレーション(型)にまで洗練させることで経験やスキルに依存せずに成果を創出する仕組みについては、ある程度、構築することができたのですが、属人的な定性面のスキル・思考プロセスなどの再現性はまだ課題があります。そこをAIで補完することで、営業組織としてのパフォーマンスがさらに向上するのではないかと考えています。
入社後のオンボーディングとして、擬似的な顧客人格を埋め込ませたAIツールとのロープレを導入したり、AIで商談議事録の文字起こしや要約をさせて、訴求トークのイネーブルメントを行うなど、営業チームでAIを活用する幅は日々拡大しています。
営業チーム内におけるAI活用の浸透についても、Marooさんの専門的な知見をお借りしながら、実践の利用価値が高いものとして現場に浸透できていることも心強く感じます。
Marooはインサイドセールス立ち上げにおいて勝ち筋を見出す戦術とパイプライン構築の戦力の両方を期待できる
――実際に支援を受けて頂いて、どのような会社様だとMarooのサービスが合いそうでしょうか?
まず、インサイドセールスチームを立ち上げたいというフェーズの企業には合うと思います。社員としてインサイドセールスを数名抱えてはいるものの、施策の拡充や社員が全て対応できない部分をサポートしてくれる人材が欲しいという企業が多いはずです。
再現性高い勝ち筋を導き出すコンサルティング支援と、パイプライン構築に不可欠な実行リソースを提供いただくBPO支援、この両方を精度高く提供できているインサイドセールス支援の企業は市場に少ないと思いますので、戦術と戦力の両方を期待する企業にとってはMarooのサービスは非常にマッチするでしょうね。
いわゆるMarooさんの競合他社から営業を受けることもありますが、スイッチする理由が見当たりません。金額だけで言えば安い会社もありますが、高い金額を支払う理由が明確でありサービスの対価をしっかり得られている点が大きいです。他社さん含めてMarooさんに支援をお願いしたくなる理由がよくわかります(笑)
――ありがとうございました!