人事領域の複雑な課題に対し、プロフェッショナル人材とともに企業の課題解決を支援する株式会社コーナー様。
前回のインタビューでは、インバウンド中心の営業体制からエンタープライズ企業へのアウトバウンド開拓に踏み出し、Marooとの取り組み開始から4か月で2社・3案件を受注した経緯を伺いました。
それから約1年。エンタープライズ開拓では月20〜30件の商談を創出し、その成果を受けて、コーナー様の社内には開拓を専門に担う専任部署が立ち上がりました。支援の範囲も、過去に接点のある企業へのナーチャリングや、フィールドセールスへのノウハウ展開へと広がっています。さらに、Marooが実践してきたアプローチの型や改善の習慣が社内に根付き、自社のナーチャリングから月30件ほどの商談を生み出せるようになりました。
今回は、マーケティング・セールス領域を管掌する伊藤薫氏と、インサイドセールスを担当する蓑島圭悟氏に、前回からの変化と具体的な成果、そして内製化に向けた取り組みについて伺いました。
エンタープライズ開拓を本格化。月20〜30件の商談創出が専任部署の立ち上げにつながった

――前回のインタビューから約1年が経ちました。現在、営業・マーケティング組織ではどのような課題に取り組まれていますか。
伊藤氏:マーケティングの観点では、LTV(顧客生涯価値)をどう高めていくかが大きなテーマです。過去のデータを分析し、ターゲットとする企業規模や業種を改めて見直してきました。
エンタープライズ企業へのアプローチを進める一方で、中小企業も含めて、どの領域に注力すべきかを再整理しています。また、商談数や受注率を高めるだけでなく、より上流の課題からご相談いただける状態をどうつくるかも重要だと考えています。
そこで重視しているのが、初回商談の体験価値です。人事の課題は多岐にわたりますが、事業の売上や利益との関係で見たときに、お客様の中で優先順位が明確になっているとは限りません。だからこそ、経営方針や今後の成長戦略を踏まえ、人事としてどのような取り組みが必要なのかを初回商談からお伝えすることが大切です。
その場で受注に至らなくても、将来課題が顕在化したときに「以前、コーナーからこんな話を聞いたな」と思い出していただける。そうした接点を増やすことが、ナーチャリングにもつながると考えています。
――そうした課題がある中で、Marooとの取り組みを継続してきた理由を教えてください。
伊藤氏:商談の質と量の両方で期待に応えてもらえたことです。ターゲットを見直す中で、4月から6月にかけてはエンタープライズ企業の開拓を改めて強化しました。
この期間、エンタープライズ企業との商談を月20〜30件ほど創出できていたので、短期間で効果検証を回せると判断しました。
エンタープライズ開拓に本腰を入れたら、どのような結果になるのか。それを3か月で検証できたのは大きかったです。商談の量と質を短期間で確保してくれるMarooさんがいたからこそ、実現できたと思います。
実際、この取り組みをきっかけに、社内でエンタープライズ開拓を専門に担う専任部署を立ち上げました。外部パートナーによる商談創出が、新たな営業組織の立ち上げという意思決定にまでつながった形です。
現在は検証フェーズを終え、専任部署としての活動には一区切りをつけています。それでも、短期間で組織を立ち上げて仮説を検証できたことには、大きな意味があったと感じています。
商談獲得にとどまらない。顧客の課題を引き出し、案件化までつなげる専門性

――エンタープライズ開拓の中で、特に印象に残っている成果はありますか。
伊藤氏:大手人材サービス企業との商談です。
コーナーにとって、人材サービス領域はLTVが高い業界の一つです。人が価値を生み出すビジネスだからこそ、人材の確保から育成・定着までが事業成長に直結し、継続的な経営課題になります。
以前から接点を持ちたいと考えていた企業でしたが、商談の機会をつくれずにいました。そこへMarooさんが人事責任者クラスとの商談をつないでくれて、最終的には新卒育成や教育研修に関するプロジェクトへと発展しました。
研修を提供するだけではなく、人事部のメンバーへのコーチングも含めて伴走する内容です。担当者自身が新卒向けのオンボーディングや生産性向上の施策を企画し、実行できるように支援しています。
さらに、その企業のご担当者には、その後コーナーのパラレルワーカーとしてもご登録いただきました。一つの商談から継続的な関係につながった、印象深い事例です。
――アプローチ先の企業への理解も深まったのでしょうか。
伊藤氏:そうですね。大手メーカーや鉄道・インフラ関連企業など、以前からお会いしたいと考えていた企業とも、数多くの接点をつくっていただきました。
大手企業の場合、公開情報を調べるだけでは、実際にどのような人事課題を抱えているのか、改革をどこまで進めようとしているのかまでは把握できません。
Marooさんが適切な担当者との接点をつくり、具体的な課題や背景を引き出してくれたことで、ターゲット企業への理解も深まりました。
私たちのビジネスは、決まったプロダクトを販売するものではありません。企業ごとの課題に合わせて、支援内容をフルカスタマイズで設計します。
そのため、相手の役割や組織の課題、担当者個人の問題意識まで聞き取ったうえで、コーナーとして何ができるのかを示す必要があります。これをインサイドセールスの段階から実践するのは、自社の社員であっても容易ではありません。
――専門性が求められる中で、Marooの対応で印象に残っていることはありますか。
伊藤氏:驚いたのは、キャッチアップの速さです。
途中から、毎週の定例で営業事例を共有する時間を設けました。フィールドセールスが現場で得た情報や、お客様から実際に挙がった課題、懸念へのお答えの仕方など、具体的な内容です。
すると、翌日にはもう電話でのトークが変わっているんです。相手の役割の確認の仕方、課題の掘り下げ方、会話のニュアンスまで、すぐに反映されていました。
共有した内容を覚えるだけでなく、自分たちなりに理解したうえで、実際の営業活動に落とし込む。そのスピードが際立っていました。
日々の活動でも、気づいたことや改善点を自分たちで振り返っていました。事業への理解を深めながら、成果に向けて自律的に改善を重ねていく。その姿勢は、Marooさんの大きな強みだと感じています。
過去に接点のあった企業へ、2か月でほぼ網羅的にアプローチ。社内リソースだけでは着手しきれなかった領域を補完

――新規開拓以外では、どのような取り組みが進みましたか。
蓑島氏:私が入社した当初、インサイドセールスはほぼ一人体制でした。ナーチャリングもミッションの一つとして任されていましたが、ほかの業務と並行する中で、十分な時間を割くのが難しい状況でした。
ナーチャリングは想像以上に工数がかかります。過去に接点を持った企業の情報が残っていても、それを整理したうえで、一社ずつ適切なタイミングと内容でアプローチしなければなりません。
そこをMarooさんに補完していただきました。特に大きかったのは、8月から9月の2か月で、コーナーがこれまでに接点を持ってきた企業へほぼ一通りアプローチできたことです。
社内だけでは、これほど短期間で進めることは難しかったと思います。Marooさんのおかげだと感じています。
――お客様との接点づくりで、特に意識していたことはありますか。
蓑島氏:コーナーとして最初にお客様と接点を持つのがインサイドセールスなので、初回のコミュニケーションには特に気を配っています。
伊藤からも話がありましたが、私たちのサービスは、課題がまだ言語化されていない段階でご相談いただくケースが多いんです。
だからこそ、商談の日程を調整するだけでなく、最初の接点からコーナーに良い印象や期待を持っていただくことが大切だと考えています。
Marooさんにお願いして良かったのも、まさにその部分です。初回接点の質を大切にしながら、その先の継続的な関係づくりまで意識して対応していただけたのは大きかったですね。
ノウハウの共有で終わらない。営業の行動習慣が変わり、社内で月30件規模の商談を生み出す組織へ

――約1年間の取り組みを通じて、社内の営業組織にも変化はありましたか。
蓑島氏:大きな変化がありました。もともとフィールドセールスのメンバーも、過去のお客様へのアプローチやナーチャリングに取り組んでいましたが、進め方はそれぞれの工夫に委ねられていました。
そこでMarooさんに、成果につながりやすいメールの送り方や、過去のデータを踏まえたアプローチ方法について勉強会を開いていただきました。資料も作成していただき、フィールドセールスのメンバーに展開しています。
特にありがたかったのは、アプローチの順序と方法が一連の流れとして整理されたことです。それまでは担当者ごとに進め方が異なり、どのやり方が成果につながっているのかが見えにくい状態でした。
「まずはこの流れでやってみよう」という共通の進め方ができたことで、メンバーも行動に移しやすくなりました。作成していただいた資料は、今も新たに入社したフィールドセールスメンバーの教育に活用しています。
――知識や資料の共有にとどまらず、実際の営業活動にも変化が生まれたのでしょうか。
伊藤氏:そうですね。大きかったのは、成果を出すための行動量と改善の進め方が、社内の共通認識になったことだと思います。
Marooさんの活動を見ていると、一件の商談を獲得するまでに、どれだけのアプローチを重ねているのかがよく分かります。メールを送って終わりではなく、電話も組み合わせて複数回接点をつくり、反応を見ながら改善を続けている。
電話の録音も共有していただいたので、社内のメンバーは実際のトークを聞きながら、「こういう言い回しがあるのか」「この場面ではこう応じるのか」と学ぶことができました。話す内容だけでなく、声のトーンや抑揚も参考になったと思います。
私自身、メンバーには「Marooさんがこれだけのアプローチでこれだけの商談につなげているなら、自分たちはもっとできるはずだよね」と話していました。
ノウハウを共有してもらうだけでは、成果はなかなか変わりません。日々どれだけ行動し、何を振り返り、次にどう改善するのか。その具体的な積み重ねを間近で見られたことで、社内の行動も変わってきたと思います。
――商談創出数にも、その変化は表れていますか。
伊藤氏:以前は月10件に届かない月もあったナーチャリング経由の商談が、今では社内で月30件ほど生まれるようになりました。私が担当するユニットだけで、20件ほど獲得できた月もあります。
以前はメンバーそれぞれが工夫していたものの、活動の進め方が体系化されていませんでした。どこまでやればよいかの基準がなかったため、アプローチすること自体に心理的なハードルを感じやすい面もあったと思います。
それが、共通の型をもとに行動量を確保し、結果を見ながら改善できるようになったことで、継続的に商談を生み出せる状態に近づいてきました。
Marooさんが直接アプローチした範囲だけでなく、自社のフィールドセールスでも成果が出るようになった。そこに今回の取り組みの大きな価値があると感じています。
成果へのこだわりと改善の速さ。内製化を見据えて伴走できるパートナー
――約1年間ご一緒した中で、Marooならではの強みはどこにあると感じていますか。
伊藤氏:一つは、成果へのコミットメントです。目標達成に向けて試行錯誤を続ける姿勢は、一貫していると思います。
もう一つは、定点モニタリングの丁寧さです。最初に見るべき指標を明確に決め、その進捗に対して何を改善すべきかを議論する。議論で終わらず、翌日には実際の活動が変わっているので、コミュニケーションもスムーズでした。
お話しした通り、私たちのサービスはフルカスタマイズ型なので、事業やサービスへの理解がなければ適切な営業活動はできません。そこを短期間でキャッチアップし、改善まで実行できるのは、専門性と実行力を兼ね備えているからだと思います。

――今回の取り組みは、内製化を進めるうえでも意味があったのでしょうか。
蓑島氏:そうですね。Marooさんとは以前から、将来的な内製化を見据えて話をする機会がありました。
一緒に取り組む中で、今後インサイドセールスのメンバーが増えたときに、どのようなマネジメントをすればよいのか、自分自身もイメージできるようになりました。
同時に、内製化に向けて整えるべきことも見えてきました。その一つが、Salesforce上の過去の顧客情報の管理です。アプローチの重複を防ぐには、情報を整理し、共有できる状態にしておく必要があります。
営業担当者を増やすだけではなく、顧客情報をどう管理し、誰がどのように活動し、成果をどう振り返るのか。そうした仕組みも含めて設計する必要があると認識できたのは大きかったです。
伊藤氏:今回Marooさんとご一緒したことで、商談という直接的な成果だけでなく、営業活動の型や改善の考え方が社内に残りました。外部の力を借りて成果を出し、その過程で得たものを自社で継続できる形に変えていく。内製化を進めるうえでも、意味のある期間だったと思います。
私たちは今後、営業の質をさらに高めながら、それを組織として内製化し続けることを目指しています。認知を広げながら、初回接点から質の高い営業体験を提供できる組織をつくっていきたいですね。
Marooさんは、営業の仕組みをゼロから整える段階の会社にも、一から型をつくる支援ができます。すでに組織がある会社に対しても、成果をさらに高める改善提案ができると思います。私自身、以前は40〜50人規模のインサイドセールス組織にいましたが、そうした規模の組織でも十分に価値を発揮できるのではないでしょうか。

――ありがとうございました!