企業向け研修やeラーニング事業を展開するアルー株式会社様。同社は、学習管理システム「etudes(エチュード)」の拡販にあたり、問い合わせを起点に商談化を進める営業体制を築いてきました。しかし、比較サイト経由の問い合わせが伸び悩んだことで、これまで接点のなかった企業を自ら開拓する必要が生じていました。
新規開拓は以前から複数の営業支援会社にも依頼していたものの、成果につながった要因が見えにくく、営業活動で得た知見を社内に蓄積しにくいことが課題でした。
そこで新たなパートナーとして選んだのが、インサイドセールスに特化したプロフェッショナルサービスを提供する株式会社Marooです。
取り組み開始から初月で7件、2ヶ月目には商談化率5%で月間16件の商談を獲得。従来の支援会社が約半年かけて到達した水準に2ヶ月で達し、外部委託先をMarooに一本化する判断にもつながりました。
一方、同社がMarooを評価する理由は、商談獲得数だけではありません。ペルソナ設計を起点とした戦略立案、新たな市場の検証、将来の内製化を見据えたノウハウの共有まで。外部の委託先という枠を超え、事業の成長に必要な意思決定をともに考えられる点に、大きな価値を感じているといいます。
今回は、同社eラーニング事業責任者の唐松氏と、同事業部 営業責任者の山内氏に、Marooとの取り組みの背景や具体的な成果、従来の営業支援会社との違いについて伺いました。
問い合わせ起点の営業から、新たな顧客を自ら開拓する体制へ
━━━ まず、Marooにご相談いただいた背景と、当時の営業体制の課題についてお聞かせください。
唐松氏: 当社では集合研修事業とeラーニング事業を展開しており、今回ご支援いただいているのは、学習管理システム「etudes」の拡販です。
etudesには、企業が自社の従業員教育に活用する「社内利用」と、研修会社などが自社の教育コンテンツを外部に販売する「ビジネス利用」の2つの用途があります。
もともとはビジネス利用が新規売上の大きな割合を占めていました。ただ、AIによって顧客の情報収集手法が変化する中で、比較サイト経由の問い合わせが伸び悩んでいたんです。
そこで、これまでとは違う打ち手として、既存の見込み顧客への継続的なアプローチと、接点のなかった企業の新規開拓を強化しようと考えました。
━━━ それまでのインサイドセールスは、どのような体制だったのでしょうか。
唐松氏: 外部委託を中心とした体制です。山内が営業全体とインサイドセールスの管理を兼務しており、インサイドセールス専任の組織は設けていませんでした。
役割としては、問い合わせのあったお客様をいかに早く商談化するかという、いわゆるSDRが中心です。一定のリード数があれば、対応のスピードと量を仕組み化することで成果を伸ばせていました。
ただ、問い合わせが伸び悩む中では、それだけでは足りません。誰に、どのようにアプローチするのかを、より戦略的に組み立てる必要があると感じていました。
━━━ 新規開拓は、以前から他の営業支援会社にも依頼されていたと伺っています。どのような課題があったのでしょうか。
山内氏: 以前お願いしていた支援会社さんでも、成果が出ていなかったわけではありません。3〜4ヶ月ほどかけて、商談獲得数は少しずつ伸びていました。
ただ、なぜ商談が取れているのか、成果が変動したときに何が要因なのか、その理由が我々には見えにくかったんですね。
営業活動の実行は外部に任せられても、そこで得られた経験やノウハウが自社に蓄積されていかない。
短期的な商談獲得だけでなく、中長期的に自分たちでも成果を出せる力を蓄えていきたい。そう考えていたタイミングで、Marooさんをご紹介いただきました。
行動量ではなく、科学的なアプローチで成果を追求。ノウハウまで開示する姿勢が決め手に
━━━ これまでも複数の営業支援会社を活用されてきた中で、Marooの第一印象はいかがでしたか。
山内氏: 一番印象的だったのは、行動量ではなく、成果に対して科学的にアプローチするという姿勢ですね。
営業支援会社さんからのご提案は、架電数や行動量をどれだけ担保できるか、という内容が中心になることが多いんです。
一方でMarooさんは、成果を出すために何を考え、どのようにアプローチしていくのかという、成果に至るまでのプロセスについての説明でした。山梨さんのお話からはその自信と根拠が伝わってきましたし、これまでお話ししてきた支援会社さんとは明確に違うと感じました。
━━━ 唐松さんは、どのような点がパートナー選定の決め手になりましたか。
唐松氏: 決定的だったのは、「ノウハウも含めてフルオープンにします」と言っていただけたことです。
将来、我々がインサイドセールスのチームを立ち上げることになった場合にも、一緒に蓄積してきた経験や知識をすべて引き継いでいただける。情報を囲い込もうとする姿勢が一切なかったんです。
以前お願いしていた支援会社さんでも一定の成果は出ていましたが、Marooさんには、我々が内製化を考えたときにも全面的に協力いただけるという安心感がありました。
営業支援会社にとって、お客様の内製化は契約の終了につながる可能性もあると思います。それでも、顧客側が自ら成果を出せる状態を目指してくれる。その姿勢が、我々の考え方と合致していたんだと思います。

架電の前に、事業と顧客を理解する。上流から関わるプロフェッショナルとしての専門性
━━━ 実際に取り組みが始まってから、従来の営業支援会社との違いを感じた部分はありますか。
山内氏: 最初のペルソナ設計の細かさには驚きました。プロダクトそのものを理解したうえで、ターゲット顧客がどのようなニーズを持っているのかを深掘りするところから始めていただいたんです。
これまではリストを作って架電を始める流れがほとんどだったので、正直、ここまでやるのかと。Marooさんが最初にお話しされていた科学的なアプローチは、まさにここから始まっているんだと感じました。
唐松氏: 私は、同じ目線で会話できることが大きかったですね。
従来の支援会社さんとは、こちらがトークスクリプトや必要な工数を指定して、実行していただく形が中心でした。具体的なやり方をこちらが決めて、作業をお願いするという関係性です。
一方でMarooさんとは、事業のゴールを共有したうえで、上流から一緒に考えていただける感覚がありました。
━━━ ターゲットの選定段階から、一緒に議論できる点も評価いただいているのでしょうか。
山内氏: そうですね。これまでは、リストやターゲットのカテゴリーをこちらから指定するのが一般的でした。Marooさんの場合は、そもそもどういうターゲットにアプローチすべきか、という問いから始まるんです。
事業を一番理解しているのは我々ですが、だからといって常に正しい答えを持っているとは限りません。私の考えも過去の経験に基づくものなので、それが未来に対して100%正しいとは言い切れない。
だからこそ、壁打ちもしたいですし、提案もしてほしいんです。
Marooさんは、こちらの意見に対して「違うと思います」と言うこともあれば、代替案を出してくれることもある。もちろん、そのまま採用するものばかりではありませんが、議論を重ねながら進められることが、これまでとの大きな違いだと思います。
初月7件、2ヶ月目には月間16件。従来約半年かけた水準に2ヶ月で到達
━━━ 7月から本格的な新規開拓を開始しました。定量的な成果については、どのように評価いただいていますか。
山内氏: 7月のスタートから初月で7件、8月には商談化率5%で月間16件の商談を獲得できました。
以前の支援会社さんで半年近くかけて到達した水準に、Marooさんは2ヶ月で到達した。この点は高く評価していますし、実際に外部委託先をMarooさんに一本化する判断材料にもなりました。
━━━ 実際に営業活動を担当したメンバーについても、率直な評価をお聞かせください。
山内氏: 特に印象的だったのは、新規開拓力ですね。まったく接点のない企業を開拓する力が非常に強い。架電音声も何度も聞かせていただきましたが、職人技だと思いました。事業部内でも共有したところ、部長クラスも驚いていましたね。
また、別のメンバーの方は営業スタイルが異なり、お客様の状況や感情に寄り添いながら、粘り強く商談につなげていただいている印象です。
立ち上がりの早さにも驚きました。1〜2週間ほどはかかると想定していたのですが、稼働初日や翌日、遅くとも3日目には次々とアポイントを獲得し始めたんです。
事業理解だけでなく、実際に成果を出す営業技術も備えている。その両方があることは大きいですね。

商談獲得から市場検証へ。事業の意思決定に必要な情報を、ともに取りにいく
━━━ 当初はビジネス利用の新規開拓が中心でしたが、途中から市場検証にもご一緒させていただくようになりました。その背景についてお聞かせください。
唐松氏: 取り組み当初は、新規売上の多くを占めるビジネス利用に投資すれば、さらに成長できると考えていました。
ところが、問い合わせ減少の背景を調べていくと、ビジネス利用の需要の中には、特定の助成金制度を背景に新規参入した企業のニーズが含まれていたことが分かってきたんです。
制度の動向によって問い合わせの傾向が変わっていた可能性が見えてきたため、より継続性の高い制度に支えられた市場に目を向けようという判断になりました。
とはいえ、制度として需要が存在することと、我々がその市場を実際に開拓できることは別の話です。そこも含めて、Marooさんにご一緒いただいています。
事業理解を共有したうえで、事業戦略のテストマーケティングまでスピーディーに進められるのは、非常にありがたいですね。
━━━ 新たな市場の検証にあたって、Marooはどのような部分で貢献できているでしょうか。
山内氏: 最初は、どうやって検証するのかというところから、まったく白紙の状態でした。
どのようなアプローチをして、何を確認できれば検証したといえるのか。そもそも何を基準に判断するのか、というところから考える必要があったんです。
その中でMarooさんには、実際に架電しながら顧客の反応を記録していただき、そこからアプローチ方法や検証項目を一緒に整理していただきました。必ず確認すべきヒアリング項目や判断基準も、取り組みを重ねる中で磨かれてきたと感じています。
現在は段階を分けて検証を進めており、第一段階は順調に進んでいます。次の段階では、実際に商談を獲得し、受注につなげていきたいですね。
唐松氏: 仮に想定していた市場で成果が出なかったとしても、それは一つの検証結果です。次に社内利用の市場を開拓するのか、別の方向性を考えるのか、という判断につながります。
営業活動を実行するだけでなく、事業の意思決定に必要な情報を一緒に取りにいける。そこにも価値を感じています。
決して安くはない単価。それでも選ばれる理由は「自社だけでは出せない答え」にある
━━━ Marooは一般的な営業代行サービスと比較すると、決して安い価格帯ではありません。その点も踏まえて、どのような付加価値を感じていただいていますか。
山内氏: 正直、以前お願いしていた支援会社さんと比べると、お支払いする単価は高いです。それだけの費用をかける以上、商談獲得以外の付加価値も求めたいと考えていました。
外部の支援会社さんにプロダクトを理解していただくには、勉強会を開き、マニュアルを作り、トレーニングをして、スクリプトを修正して……と、こちらで準備を重ねる必要があります。それでも、どうしても限界がありました。
Marooさんの場合は、ご自身でプロダクトの情報をインプットしてくださるので、我々はより上位の、施策の背景や事業の方向性について議論できるんです。パートナーという言葉がふさわしいと感じています。
唐松氏: 一般的な営業支援は、自社の工数を外部で補っていただく形が中心です。そのため、アウトプットは基本的に我々が想定する範囲に収まります。
一方でMarooさんからは、インサイドセールスやマーケティングのプロフェッショナルとして、我々にはない視点の提案をいただける。そこが大きな付加価値だと思っています。
もちろん、事業のフェーズによっては、工数の確保を優先すべき場合もあります。ただ、新規事業や新市場の開拓など、何が正解か分からない段階で一緒に取り組めるパートナーは、本当に数が少ないんです。
━━━ Marooでは、一人の担当者が受け持つプロジェクトを最大2案件に限定しています。多くの案件を効率よく回すことよりも、お客様の事業理解を深め、成果に向けた改善提案ができる体制を優先しています。
山内氏: そこは、まさに違いを感じているところです。一般的には、担当の方が多くの案件を並行して受け持つ中の一つとして、弊社を担当されることが多いと思います。
Marooさんは、アポイントを獲得して終わりではなく、その先の成果まで理解しようとしてくださる。プロフェッショナルとしての意識とスキル、その両方を感じています。
━━━ 実際に営業活動を担当するメンバーが、直接お客様と対話する体制についてはいかがでしょうか。
山内氏: そこも大きいですね。
規模の大きな支援会社さんの場合、私が窓口の営業担当の方とお話しして、その上司の方がいて、さらに実際に架電を担当する方とその上司の方がいて、という体制になることが多いんです。
そうすると、勉強会などでお伝えした内容が、どうしても現場までダイレクトには届きにくい。間に何人も入ることで、情報が薄まってしまう感覚があります。
Marooさんの場合は、実際に支援いただいているメンバーの皆さんが常にミーティングに参加してくださいます。こちらの状況を直接お伝えできますし、私も現場の状況を直接把握できる。そこも大きな違いです。
また、高いスキルを持つ正社員の方が直接案件を担当してくださる点も、これまでにない経験でした。
架電業務をお願いしているというより、専門性を持った方々に事業の一部を担っていただいている感覚ですね。
商談獲得の先へ。パートナーとの協働のあり方を変え、受注につながる仕組みをつくる

━━━ 今回の取り組みを通じて、外部パートナーとの関わり方や、社内の営業組織に変化はありましたか。
唐松氏: これまでは、こちらから具体的なやり方を提示し、その通りに実行していただくという管理が中心でした。
ただ、Marooさんは、我々には出せない答えを持ってきてくれる可能性のある方々です。
だからこそ、やり方を細かく指定するよりも、大きなゴールや施策の背景を解像度高く共有し、ある程度の自由度を持って動いていただく。その方が成果につながるのだと思います。
組織としても、専門性の高いパートナーとどう協働すべきかを学ぶ、良い経験になっています。
山内氏: 私自身も、考え方がかなり変わりました。
これまでは、マニュアルを作り、トレーニングをして、スクリプトを修正する。外部委託先をいかにうまく管理し、費用対効果を高めるかを考えていたんです。
ただ、それでは結局、成果の上限が私自身の知見や経験の範囲にとどまってしまいます。
こちらが言ったことを実行していただく、という考え方を私自身が手放さなければ、Marooさんの力を引き出しきれない。そう感じました。
━━━ 今後、Marooと一緒に強化していきたい部分についてもお聞かせください。
山内氏: まずは、今進めている市場検証をしっかり売上につなげることですね。検証結果は良かったけれど売上にはつながらなかった、では意味がありません。
もう一つは、商談獲得後のナーチャリングです。
現在もメールや電話で継続的にアプローチしていますが、今後はお客様一人ひとりの状況や関心度に合わせた仕組みにしていきたいと考えています。
商談を獲得して終わりではなく、その先の受注までつなげていく。その仕組みづくりにも、Marooさんの知見や技術をお借りしたいですね。
唐松氏: マーケティング全体を見ても、デジタルだけでなく、リアルな接点の重要性が改めて高まっていると感じています。
問い合わせを待つだけでなく、人と人との接点をもっと強化していく必要がある。特に、営業から一度手が離れた見込み顧客との関係構築は、これから仕組み化していきたい領域です。
ウェビナーの案内を送るだけでなく、お客様の状況を踏まえて、適切なタイミングで接点を持ち直す。そうした機能も、Marooさんと一緒に強化していければと思っています。
上場企業の新規事業や、エンタープライズ開拓にこそ発揮されるMarooの価値
━━━ 最後に、実際にご一緒いただいた立場から、Marooはどのような企業や事業に向いていると思われますか。
山内氏: 一つは、新規事業や新サービスの立ち上げですね。Marooさんとの相性はとても良いと思います。
反対に、すでに営業手法が確立されていて、決められたことを実行するフェーズであれば、費用対効果を軸に支援会社を選ぶことになると思うんです。
そうではなく、何が正解か分からない中で市場を開拓したり、営業の仕組みそのものをつくったりする。そうした場面でこそ、Marooさんの専門性が発揮されるのではないでしょうか。
唐松氏: 特に、当社のような上場企業の中で立ち上がる新規事業とは、相性が良いと思います。あとは、商品の単価がある程度高い、あるいはエンタープライズをターゲットにしている法人向けの事業ですね。
事業の立ち上げ段階では、予算や既存の事業基盤はあっても、新しい市場を開拓するための専門的なノウハウは、社内だけでは揃いにくいこともあります。
そこで、営業活動を代行するだけでなく、事業を理解したうえで、ターゲットの設計から実行、市場検証、さらには内製化まで一緒に考えてもらえる。そこに大きな価値があると思います。
━━━ 今後も、短期的な商談獲得はもちろん、事業成長や内製化まで見据えて伴走してまいります。本日はありがとうございました。